自分でないもの

15年位前、町田康さんの「きれぎれ」という本が、本屋さんで『芥川賞受賞!』と書かれたポスターの下に積み上げられていて、表紙が綺麗でなんとなく惹かれて買ったことがありました。

初めて読んだ時、(大変失礼ですが)内容が全く分からず、これはページがグチャグチャなのかと思うくらい混乱しました(笑)途中から、これはこういう本なんだ、と思って読んでいくうちに、もしかして私は、今まで『小説とはこういうものです』という誰に言われた訳でもない定義を疑問に思うこともなく受け入れていただけなのかも知れない。。と感じるくらい強烈でした。

その時は、町田康さんが、どんな活動をされている方なのかも知らなかったのですが、パンクな文章だと率直に思いました。そうしたら、本当にパンクをやっていた方でした(笑)

それから今まで、いくつか読んでいますが、ユーモアのセンスが素晴らしく、それが突然くるので、電車とかカフェでは読まないことにしています(笑)どうやってああいう言葉を思いつくのでしょう。笑ってしまうけど、「すごいなぁ〜」っていう感動もあります。

小説がとても面白いので、あまりエッセイは読んでいなかったのですが、最近、飼っている猫について書いている「猫にかまけて」という本を読みました。捨て猫を拾ってくるうちに、家族が増えていくことや、猫が病気になり、奥さんと必死に看病していることなどが、(他に良い言葉が見つかりませんが)とても素直に「そのまま」書いてあり、すごくいい本でした。

自分のペットとして可愛いという感じより、自分ではないものの生命をお預かりしているという優しい気持ちを感じました。

町田康さんのインタビューと、猫ちゃんはここから見られます。→http://ilove.cat/ja/2720
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www.shihokoh.com

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